メディアシークのQRコードリーダーアプリ「アイコニット」では、読み取れなかったQRコードをメディアシークに送っていただき、それを基に検証・解析し、さらなる精度向上につなげるというフィードバックサイクルがあります。そうした中で、読み取れなかったQRコードとして下記のような実例が挙げられます。
・連結QRにする必要がないのに連結になってしまっている
・連結仕様になっているのに、QRコードが一つしかなくて延々待ち状態になっている
・クワイエットゾーンがない
・間引きの縮小が行われている
など
読取の成否には、QRコードリーダー(デコーダ)側の性能、明るさなどの周辺環境、QRコードの表示・印刷具合(紙のかすれ・汚れなど)、といったさまざまな要因が存在しますが、QRコード作成時に使うソフトウェア(エンコーダ)も影響する、というのは案外見過ごされがちなことです。上に挙げた読み取れなかったQRコードは、エンコーダ側に問題があったものと思われます。本稿では、そうした問題を引き起こす粗悪なエンコーダが紛れ込む背景や、高品質なエンコーダを選ぶポイント、お薦めのエンコーダなどについて解説します。
QRコードが、開発元の株式会社デンソー(当時)の仕様オープン化 / 特許権利不行使という戦略により、誰でも自由に使い、作れるものとなったというのはご存知の方が多いでしょう。
これに伴い、QRコードを読み取る側であるデコーダも、QRコードを作る側であるエンコーダも、フリーのものが出回ることになりました。
これらは無償でQRコード読み取り / 作成アプリケーションを作れる、ということで基本的に重宝するものなのですが、中には品質に疑問符がつくものも。
良貨の中に悪貨が潜むのは避けられない、というのは世の理なのでしょうか? 粗悪な品質のエンコーダが紛れ込んでしまうのには上記のような背景もあったといえるかと思います。
ではどういったポイントに気をつけてエンコーダを選べばいいのか、ですが、エンコーダを選択する目安として、多機能すぎないものを選ぶことを推奨したいと思います。QRコードを作成する上で、あまりにデザインに凝れるようだと、デザインをいじくりまわしているうちに特定のリーダーでしか読み取れないものになってしまう可能性が大だからです。
また、1次元コードの場合は、拡大した時にエッジがぼけないエンコーダを選ぶとよいです。拡大時にエッジがぼけるということは、生成されたコードを画像として出力する時に縮小などのリサイズが行われた、ということです。リサイズが行われたということは、各1次元コードで定められている、黒バーと白バーの幅の比率が変わってしまっている可能性があります。これは仕様との齟齬が起きてしまっている、ということになりますので、そうしたことが起きないエンコーダを選ぶことが肝要になってきます。
参考:バーコード用語集
お薦めのQRコード作成サービスを四つ挙げます。いずれも無料ですので、ご利用されてみてはいかがでしょうか。各サイトの利用規約などはご自身でご確認ください。
QRコードの開発元・株式会社デンソーウェーブとアララ株式会社が共同開設したサイトです。本家本元が関わっているということで、信頼性は抜群です。
(CMANインターネットサービス > QRコード作成 より)
QRコードの前景色・背景色を変更できる機能がついていますが、ベースの白黒のままにしておくことを推奨しつつ、もし色変更するならその場合はこれこれこうした点に気をつけるといい、といったことが細かく書かれており、参考になります。
Canvaは多機能オンラインデザインツールですが、その中にQRコード生成機能も含まれています。チラシやカードをデザインする際、ワンストップでQRコード生成も行えるので便利です。冒頭で例に挙げた、『連結QRにする必要がないのに連結になってしまう』といったこともありません。
ただデザインの自由度が高いので、コントラストをなくすことやクワイエットゾーンをなくすこともできてしまいます。以下の過去コラムを参考に、CanvaでQRコードを作る際の留意点を確認してください。
弊社メディアシークが提供しているスマートフォン用QRコードリーダーアプリ「アイコニット」も、読取だけでなく、QRコード作成機能が備わっており、エンコーダとしてお薦めです。スマートフォンの連絡先情報からQRコードを作成することも可能です。
エンコーダはあくまで、QRコードに格納したい情報の中身に従って、その情報をシンボル化するものです。シンボル変換したものが、本当に作られたままの状態で画面に表示されているか / 印刷されて掲示されているか、はまた別の話となり、エンコーダが責任を負う範疇ではありません。
どんなにエンコーダが情報を厳正にQRコードシンボル変換していたとしても、それでも、その変換結果が画面に表示される段階で
・全体が映っていない
・間引きの縮小がかかっている
などによって(エンコーダのせいでなく)不正確なQRコードになってしまう、という問題が隙間から入り込むことが起こり得ます。
QRコードを紙に印刷して掲示する、というプロセスを挟んだ場合などはなおさらです。
・印刷のサイズが小さすぎ、その結果、滲む
・店舗などで、QRコードを印刷した紙の前に網入りガラスがある
といった、正確な読取に失敗するであろうような状況も容易に想像されます。
繰り返しになりますが、本当に作られた状態のままのQRコードが表示・印刷されているか? ということを念入りに確認し、実際に読み取ってみるべきでしょう。
※本コラムに掲載した商品名、サービス名、会社名またはロゴマークは、各社の商標、登録商標もしくは商号です。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
株式会社メディアシーク
〒108-0072 東京都港区白金1丁目27-6 白金高輪ステーションビル
https://www.mediaseek.co.jp/
IR・広報担当 E-mail:press@mediaseek.co.jp