最近のバーコードリーダーアプリ / QRコードリーダーアプリは高性能なので、スマートフォンをかざせば読み取れるものがほとんどです。しかしもちろん中には、これは読めない! というコードもあります。原因はなぜなのでしょう?
弊社はバーコードリーダーアプリを開発している関係上、《読み取ることができなかったQRコード / バーコード》にどういう傾向があるか、の知見があります。前節では読む側が気をつけたい読み取り方について解説しましたので、本節ではQRコード / バーコードを作る側・印刷する側・読み取ってもらいたい側が留意しておくべき点について例示します。
黒が薄すぎますね。印刷した紙が陽に焼けてしまったり、インク切れしかかっている家庭用プリンタを使ったりすると薄くなりがちです。黒部分はしっかり黒一色になるよう気をつけましょう。
QRコードが小さいため、画像の目が粗くなってしまっています。その結果、QRコードの白黒パターンが正確に読めなくなります。もっと面積を大きく表示できないか、工夫してみてください。全体とレイアウトのバランスをとる必要がありますが、QRコード / バーコードが読み取れなくては本末転倒ですよ。
QRコードは四隅ならぬ三隅(右下を除く三カ所)に四角があるのが特徴となっています。この三隅の四角は「ファインダパターン(切り出しシンボル)」と呼ばれ、これがあるおかげでQRコードリーダーはQRコードの位置を認識することができるのです。下図で確認してください。
翻って、上掲した写真を再度ご覧ください。白黒のランダムパターンの正方形があるので、一見、正しいQRコードと思ってしまいそうになりますが、ファインダパターンが左上の一個しかありませんね。これではQRコードと認識されるのは無理です。QRコード / バーコードを印刷する場合は、もちろんちゃんと全体が入っていなければいけません。
三つのファインダパターンそれぞれ、形状が崩れてしまっているのがお判りいただけるでしょうか? 左上のファインダパターンは、内側の四角が上に寄ってしまっていますね。右上のファインダパターンは、内側の四角が左上に偏りすぎです。
なぜそのようなファインダパターンではいけないのか? その前に正しいファインダパターンについて理解する必要があります。下図をご覧ください。
ファインダパターンの外側の黒四角・内側の白四角・真ん中の黒四角の幅の比率は上図のとおり1:1:3:1:1と決められており、このとおりになっていないとQRコードとして読み取られません。上の写真のQRコードは、画像をリサイズした時に形状が崩れてしまったようで、比率が1:1:3:1:1になっていないことがパッと見でも判ります。
印刷がかすれていて、白い縦線が一本入ってしまっているケースです。かすれが起きないよう、印刷環境を整えてください。
QRコードの正方形の周囲は「クワイエットゾーン」(マージン)と呼ばれ、四辺ともに4セル分の余白スペースが必要な決まりになっています。つまり、上の画像のように周囲に余白がないQRコードでは正常な読み取りができないのです。仕様に沿って「クワイエットゾーン」を確保したデザインをお願いします。
複数の紙に分けて印刷した後、紙をツギハギしています。このようなケースだとうまく読み取れないことがありますので、一枚の紙に収まるように印刷しましょう。
これは印刷そのものが乱れているわけではなさそうですが、飲食店のメニューパネルに汚れがこびりついているか何かでQRコードが読み取れなくなっています。早急に汚れを落としてください。
バーコードを印刷した時に白黒を反転させてしまったようで、そのため読み取れないバーコードになってしまっています。正しくバーコードを作成してください。
こういうミニサイズのQRコードも世の中にはあるのかな? とつい思ってしまいそうになるかもしれませんが、このようなQRコードはありません。あくまでサンプルとして、QRコード的なデザインを示しているものと思われますが、一般ユーザーはそれがサンプルなのか、それとも実際に機能するQRコードなのかは判別できません。サンプルであるなら、その旨をハッキリと明示する必要があるでしょう。
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※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
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