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ブレインテック(BrainTech)で何ができる?

2018.02.26

BrainTechという技術が最近注目を集めています。脳の状態をモニターする、脳の働きを調べるといったテーマですが、脳というと余りにも広い分野に関わってくるため具体的に何が出来るようになるのか、私たちの生活がどう変わるのかというのがなかなか分かりにくいのではないでしょうか。今回はBrainTechで何ができるようになると期待されているかをお話しします。

 

※BrainTechについて知りたい方はコチラ

 

■脳の状態を思いのままに整えることができるように!

ニューロフィードバック(NFB)という技術があります。脳波や脳血流で脳をモニターし、それをリアルタイムに確認する技術です。この技術自体は古くからあるのですが、スマートフォンという高度な計算ができるツールが普及したことで、NFBが病院に行く必要も無く計測機器とスマホだけで手軽に行えるようになりました。集中したい時や緊張を解きほぐしたい時など、望むままに脳の状態を整えるトレーニングを誰でも気軽に行うことができるようになります。

 

■現在は原因不明の病気が治り生活の質が上がる!

慢性疼痛や鬱病や腰痛など、明確な治療法が確立されていない症状の多くが脳に原因があるのではないかと最近の研究で指摘されています。BrainTechがこれらを解き明かし、生活の質を上げることが期待されています。

 

■機械を動かすために、もうリモコンも声すらいらない時代に!

ブレインマシンインターフェース(BMI)という技術があります。これは人の考えや指令を脳の情報をもとに読み取る技術です。日本では2017年にGoogle HomeやAmazon Echoなどの音声だけで操作できるスマートスピーカーが大きな話題になりましたが、BMIを使うと声すら出さずに思い描いただけで機械が動くようになります。

 

Facebook社がこの研究に力を入れていて、Brain-Typing Projectと題してスマホでの文字入力の5倍の速度で考えただけで文字入力ができるシステムの開発を目指していると2017年4月に発表しました。Microsoft社も2018年1月に脳波を用いて思考によってアプリを制御する特許を取得しています。

 

■テレパシーを使えるようになる!?

通常私たち人間は意思疎通をする際に、伝えたいことを言葉や絵やジェスチャーなどにエンコードして伝え、受け取った人がデコードして理解します。無意識に行っていることですが、エンコードの際に抜け落ちる情報は非常に多く、さらにもう一度デコードする必要があるためによくミスコミュニケーションが起こります。

 

BMIの要領で脳の情報から考えをそのまま読み取れるようになり、それを機械ではなく人に伝えることができるようになると、もう意思疎通のために言葉は必要ありません。言語の壁を超えるだけではなく、意思疎通の効率も劇的に改善すると見込まれています。実現すればまさにテレパシーですが、脳血流をAIで分析することで頭に思い浮かべた絵や夢で見た映像を再現する研究が日本でも既に進んでいて成果を上げているようです。

 

■人が死ななくなる!?

BrainTechで脳をサポートしようとする動きがあります。イーロン・マスク氏などは人がAIやロボットに対抗するために脳をAIに接続して能力を改善する必要があると述べてきました。これは脳インターフェース技術と呼ばれ、脳内に電極を埋め込んでクラウド環境のAIと接続するというものです。勿論てんかんやパーキンソン病などの症状を和らげるという医療目的でも進められている技術ですが、海馬にチップを埋め込んで脳に入ってくる情報を記録することで記憶力を改善させるといった研究も進められているようです。

 

ここからさらに発展して、脳に入り込んでくる情報を埋め込まれたチップを介して全てクラウド環境に保存できるとなると、これはクラウド環境に自分のバックアップが出来ることを意味します。たとえ肉体が動かなくなっても、自我の意識はクラウド上で生き続けるというSFの世界がすぐそこまで来ているのかもしれません。荒唐無稽に聞こえるかもしれませんが、少なくとも脳インターフェース技術に関してはイーロン・マスク氏が4~5年後に実用化できると発言しています。

 

マインドフルネスなどの身近な話題からテレパシーや死ななくなるなど夢物語に聞こえるものまで、BrainTechは実に様々な未来に繋がっています。そしてその未来は思っていたより近いのではないでしょうか。ベンチャー企業だけでなく巨大企業、さらには国に至るまで皆がBrainTechに注目するのは当然と言えるでしょう。日本はBrainTechに関して基礎研究は進んでいるがベンチャー企業が育ちにくい気風もあって具体的なサービスがあまり出てこないと言われています。しかし、CES2018では日産の脳波で動かす自動車が話題になったようにBrainTechに取り組む企業も出てきています。私たちの生活を劇的に変える可能性を持つBrainTechからますます目が離せません。

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