バーコードコラム

バーコードやQRコードの新しい活用方法[後編]

2024.03.19

URLを読み取るだけがQRコードの能じゃない!――セルフレジ、シェアサイクル、コンビニプリント、地方税

 

変わり種QRコード・バーコード前編では、電車ホームドアの自動開閉制御、入退管理、社内向け飲料水自販機、それらにQRコードを活用する例をご紹介しました。後編では、スマホ貸出型セルフレジ、QRコードで解錠するシェアサイクル、 QRコードで印刷できるコンビニプリント、地方税納付QRコードといった、QRコード / バーコードの新しい活用例を引き続き紹介します。

 

バーコードでお買い物するスマホ貸出型セルフレジ

 

大手スーパー・イオンの「レジゴー」は普通のセルフレジシステムではありません。

 

一般的なセルフレジ:買いたい商品を持ってレジに行き、レジで商品をスキャンして、支払いを行う。
レジゴー:入店時に貸出用スマートフォンを借りて、それを持ち歩きながら購入商品をスキャンしていく。合計金額の支払いだけ、レジで行う。

(※2021年4月からは、「レジゴー」アプリを自身のスマートフォンにインストールする使い方もできるようになりました)
商品のスキャンをレジという一か所で行う仕組みだと、それがセルフ式であれ、店員にやってもらう方式であれ、どうしても混雑します。いわゆる「レジ待ち」というやつですね。
「レジゴー」はスマートフォンを持って店内を歩き、商品をスキャンしながらカートに入れていきますので、「レジ待ち」がほぼ不要です。これは嬉しいと思う方も少なくないのでは。

しかも、スマートフォンを持っていない人向けに貸し出しまでしてくれますので、すべての人が「レジ待ち」不要の利便性を体験できるんです。

 


(イオンリテール公式YouTubeチャンネルより)

 

他に、商品を逐次スキャンしながら買い物を進めていくので、『今現在カートに入っている商品の合計金額がいくらか』を随時確認できる、というのもメリットです。買いすぎの予防になるというわけです。
商品をスキャンする時はJANコード(商品の外箱や包装に印刷されている商品識別用バーコード)読み取りが活躍し、合計金額支払い時のレジゴー専用レジゲート出入にはQRコードを使う、という仕組みになっています。まさに、バーコードに始まりQRコードに終わる、という未来型ショッピングですね。
デメリットとしては、そもそもイオンのサービスですので、イオングループのスーパー以外では利用できません。利用可能店舗数は全国279店(レジゴー公式サイト より、本稿執筆時点2024年2月19日調べ)。これを多いと思うか少ないと思うかはあなた次第です。
なおホームセンターのカインズ、埼玉県中心の食品スーパー・ベルクも同様のサービスを展開中です。

 

 

QRコードで解錠するシェアサイクル

 

シェアサイクルとは、2010年代後半によく聞かれた「シェアリングエコノミー」の一つで、一定エリア内に複数配置された自転車の貸出・返却拠点において、自転車を自由に貸出・返却できるというものです。

レンタサイクルとの違いは、レンタサイクルは借りた場所と同じ場所に自転車を返さなければならないのに対し、シェアサイクルは借りた場所と異なる場所に返却することが可能です。
さて、停められている自転車が勝手に持っていかれてしまわないよう、シェアサイクルには当然鍵がかけられているわけですが、借りて運転開始するためにはこの鍵を解錠しなければなりません。

しかし、合鍵を持った管理人が自転車を停めている所にやってきて鍵を開けてくれるのを待つ――というのではあまりに機動性がなさすぎます。

そこで、QRコードを鍵代わりに、自転車を解錠できる仕組みが必要になるわけです。

 


(ドコモ・バイクシェア公式Youtubeチャンネルより)

 

解錠の際にはQRコードを読み取ります。上の動画をご覧ください。

施錠はもっと簡単で、QRコード読み取りは不要です。レバーを引くだけ。

 


(ドコモ・バイクシェア公式Youtubeチャンネルより)

 

QRコードによる解錠の仕組みは自転車以外にも使えます。実際に、電動キックボードをシェアできるサービス「LUUP」もあります。

シェアサイクルは交通ルールを守って安全運転を心がけましょう。

 

 

QRコードで印刷できるコンビニプリント

 

かつては自宅にプリンタがないと印刷できない時代でした。その後コンビニにマルチコピー機が設置され、USBメモリ経由でファイルを印刷することが可能になりました。

そして今や、ITデバイスと共有プリンタとを物理的に接続しなくても、印刷が可能な時代となっています。

 


(スマートフォン用アプリ「かんたんnetprint」紹介ページ より)

 

アプリに、印刷したいファイルをアップロードし、そのファイルを特定するQRコードを発行します。コンビニに行って、マルチコピー機にそのQRコードを読み取らせれば、印刷が始まる、という仕組みです。後は枚数に応じて代金を店頭で支払えばよし。
また、コンビニのマルチコピー機では、自分のファイルや写真を印刷するだけでなく、用意されたプリントコンテンツの購入・印刷もできます。アニメやアイドルのブロマイド、楽譜や地図などのコンテンツが販売されており、これらの購入にもQRコードが利用できます。

下はセブンイレブンのコンテンツ販売サイトですが、他の大手コンビニ(ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)でも軒並みコンテンツ販売は行われています。

 

 

(「コンテンツギャラリー」トップページ より)

 

 

QRコードで地方税を納付

 

 

(総務省報道発表資料「地方税統一QRコードを活用した地方税の納付の開始」より)

 

2023年4月から始まった「地方税統一QRコード」を知っていますか? まだ新しいので、耳馴染みがないという方も少なくないかもしれません。

「地方税統一QRコード」は、納付書に印刷されたQRコードを読み取って、地方税を電子納付できるというものです。略称は「eL-QR(エル・キューアール)」。

対象となる主な地方税は
・固定資産税
・都市計画税
・自動車税(種別割)
・軽自動車税(種別割)
など。
自治体によっては住民税(普通徴収)や国保税(普通徴収)が対象となっている場合もありますので、お住まいの自治体にご確認ください。

また、後期高齢者医療保険料、市営住宅使用料、保育料、学校給食費、水道料金、下水道使用料は税金ではありません(「料金」です)ので、地方税統一QRコードによる納付の対象外です。お気をつけください。

納付方法を口座振替にしている場合は、納付書が送付されません。地方税統一QRコードによる納付を希望する場合は、口座振替の停止手続きをする必要がありますのでお気をつけください。

 

 

※本コラムに掲載した商品名、サービス名、会社名またはロゴマークは、各社の商標、登録商標もしくは商号です。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

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