バーコードコラム

変わり種QRコード・バーコード前編

2023.06.07

世の中には独自開発された変わり種QRコードというものがあります。正方形でないもの、カラフルなもの、同心円状のものなど……あなたも変わり種QRコードの世界を覗いてみませんか。

 

[rMQRコード]

rMQRコード

rMQRコードは、QRコードの生みの親・株式会社デンソーウェーブが2022年に開発した新しいQRコードです。その特長はなんといっても横長であること。QRコードと較べて高さ約1/3で同じ情報を格納できます。細長く狭いスペースにも印字できるので、小型部品やチケット・伝票、医薬品の容器、ラベルや値札などの余白の有効活用につながります。

rMQRコード事例写真

 

[tQR(R)]

tQR

tQR(R)は株式会社デンソーウェーブと東京都交通局が共同開発した新型QRコードで、都営地下鉄浅草線や神戸市営地下鉄西神・山手線、小田急小田原線のホームドア開閉制御システムに使われています。
ドア数や編成車両数の情報を格納したtQR(R)が印刷されたラベルを車両の扉に貼ることで、駅ホームに設置されたスキャナがそれを読み取って車両扉の状態を検出します。すると、それと連動してホームドアが開閉するという仕組みです。メリットとしては、通信制御機器の代わりに新型QRコードと駅ホームのスキャナだけで済むのでコストが安価であること。車両の大規模改修が不要なので工期が短いこと。そして、車両扉の制御のみでホームドアの連動開閉が行えるので、車両扉とホームドアを別個に手動開閉するのに較べ乗務員の業務負荷を低減できることが挙げられます。

tQR(R)の利用写真
tQRの利用写真2

 

[カメレオンコード]

カメレオンコードのホームページ画像
https://www.shift-2005.co.jp/chameleoncode.php から引用)

Chameleon Code(R)(以下、カメレオンコード)は最大8色を使用する2次元カラーコードです。4色の基本色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)と、同じく4色の追加色(グリーン・レッド・ブルー・オレンジ)を組み合わせたパターンでできており、例えば劣悪な環境下では色数を少なくして認識性を確保し、良好な環境下では逆に色数を足すことで格納できる情報量を増やすといったことが可能です。例えば行数3×色数4の場合は約7兆6255億とおりのパターンですが、これを1色増やして5色にするだけで、約1京8014兆パターンという膨大な情報量に対応できます。また有効期間および回数を設定できるので、1回限り利用可能なワンタイムカメレオンコードも作れます。用途例としては棚卸し・入出庫管理、出退勤管理、図書管理、構内安全運転検知システム、外国人観光客向け多言語案内など。

 

[XPANDコード]

XPANDコード画像

XPAND株式会社が開発・提供しているのがXPANDコードです。細長い横長スリット形状のデザインで、正方形のQRコードと較べて景観に馴染みやすいのが最大の特長です。XPAND株式会社の前身は東京メトロなど全国300以上の駅の案内サインを手掛けたデザイン会社で、XPANDコードは鉄道・交通の現場ニーズから生まれたものになります。

XPANDコード画像2

 

[App Clipコード]

「App Clip」とは、iOS14から対応開始した『インストール不要のミニアプリ』のことです。通常のアプリと較べて機能が限定されている分、ファイルサイズも10MB以下となっており気軽にダウンロードできます。あるアプリを本格利用する前に、お試しで使ってみるのに最適というわけです。Androidに詳しい人にとっては、「Google Play Instant」のiOS版ですといったほうが分かりやすいかもしれません。

通常のアプリはiPhoneでQRコードを読み取るなどしてApp Storeにアクセスし、ダウンロード・インストールしますが、「App Clip」においてQRコードの役割を果たすのが「App Clipコード」です。

App Clipコード画像
https://developer.apple.com/design/human-interface-guidelines/app-clips/#App-Clip-Codes から引用)

点線で描かれた同心円のようになっています。円状という特徴的なデザインから、バーコードやQRコードとは明確に別物であることが一目で判ります。iOS14.3から対応していますのでもしApp Clipコードを見かけたらカメラをかざしてみては。

 

<昔もこんな独自コードがあった!>

約20年前にもこんな独自2次元コードがありました。2次元コードにも歴史あり、ですね。

 

[STコード]

STコードホームページ画像
https://www.olympus.co.jp/jp/news/2004a/nr040224stcodej.html から引用)

2004年2月にオリンパス株式会社が発表した2次元コードです。当時はまだスマートフォンがない時代でしたが、想定されていた使われ方は今のQRコードと変わらず、紙メディアに印刷されたSTコードを携帯電話内蔵カメラで読み取ってサイトや情報にアクセスする、というものでした。読み取りには「STコード★リーダー」という携帯電話アプリが別途必要でした。新聞紙面にSTコードが掲載され、アクセスした先の携帯電話サイトで川のせせらぎや鳥のさえずりの音声ファイルをダウンロードできたそうです。

他にもご紹介したい変わり種バーコードがありますので、続きは後編記事で!

※QRコード、rMQR、tQRは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※その他、掲載されている商品・サービス名、技術名、会社名またはロゴマークは、各社の商標または登録商標もしくは商号です。

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