お役立ちコラム

システムリプレース時の注意点

2017.08.10

会社のシステムにおいて、様々な要因によるリプレース(入れ替え)は避けられないものですが、リプレースに伴うシステム移行は非常に厄介です。システム移行では現行システムで蓄積した膨大なデータを漏れなく引き継ぐ必要があり、そして引き継ぎが完了した後もテストを重ねなくてはなりません。
このように厄介なシステム移行ですが、移行のコスト・かかる時間・リスク等によっていくつかのシステム移行方式があります。

本稿では、何種類かのシステム移行の方法とそれぞれの注意点をご紹介します。

 

(1)一括移行方式
現行システムから新システムに全機能を一気に切り替える方法です。こちらは、一気に切り替えるためにシステムが止まっている時間が発生してしまいます。ですので、長時間システム停止が可能な場合に取れる方法となります。

 

メリット:
移行のコストが低い
手間が少ない
かかる時間が短い
失敗した場合に回復が容易にできる

デメリット:
リスクが大きい

 

一度に全て移行してしまうため、コストがかからず手間も一度で済み時間もかかりません。また、現行システムはそのまま残るので、失敗した場合にすぐに元のシステムで業務を再開できます。しかし、一度に全て移行するので、どこかでエラーが発生する可能性は高く、リスクは高いと言えるでしょう。
長時間のシステム停止が可能で、コストを抑えたい場合におすすめの方法です。

 

(2)段階移行方式
現行システムから部分的に新システムに移行していく方法です。
長期間システムを停止させることができなかったり、移行するデータの量や種類が多く一括での移行が難しい場合に取る方法となります。

 

メリット:
リスクが比較的小さい

デメリット:
移行のコストが比較的高い
手間が比較的多い
かかる時間が比較的長い
失敗した場合の回復が比較的難しい

 

このメリット・デメリットは①の一括移行との比較になりますが、部分的に移行するということを繰り返すため一括移行に比べるとコスト・手間・時間・リカバリーという面で劣ります。しかし、エラーが発生するリスクは一度に移行する量が減るぶんだけ減っているということが言えます。
短時間しかシステム停止ができず、システム移行のリスクとコストのバランスを取りたい場合におすすめの方法です。

 

(3)並行移行方式
現行システムと新システムを並行稼働させ、比較検証しながら移行する方法です。
システムを停止できず、現行システムと新システムとの互換性が重要である場合に取る方法となります。

 

メリット:
リスクが小さい

デメリット:
移行のコストが高い
手間が多い
かかる時間が長い
失敗した場合の回復が難しい

 

新システムをサービス開始後しばらくは旧システムと並行して運用し、新システムに問題が無いと分かった時点で旧システムを停止して移行を完了させます。旧システムは稼働し続けるため、リスクが小さいのが特徴です。しかし、並行して運用するために両システムの連携が必須で、ソフトを使ってデータを同期させたりすることが求められるので、ソフトや二重運用のコストは高く入力作業やチェック作業の手間も多いといったデメリットがあります。リソースに余裕があり、リスクを最小限に抑えたい場合におすすめの方法です。

 

(4)パイロット方式
限定した部門で新システムを導入し、運用を観察した後で部門全体をシステム移行する方法です。
こちらは、一括移行方式と段階移行方式を組み合わせたような方法となります。

 

メリット:
リスクが比較的小さい

デメリット:
移行のコストが比較的高い
手間が比較的高い

 

ある部門でだけ先に一括で新システムに移行します。これによりエラーが発生しても影響範囲を限定でき、またその部門で得たシステム移行のノウハウを用いて全部門のシステム移行に繋げることができます。リスクを局所化できるため比較的小さいリスクで移行でき、ノウハウを用いて他部門でも移行するため比較的スムーズに移行できます。

しかし、部門ごとに性格が異なるので問題無いと判断して全部門で導入した後に、使ってみて初めて不足した機能が分かることもあり、手間や時間はかかります。
各部門と情報システム部門が連携を取ることができる場合におすすめの方法です。

 

以上のようにシステム移行にも様々な方法がありますが、会社の条件と見比べてどの方法が最も適しているかを考えなくてはなりません。システムリプレースは非常に厄介な案件ですが、だからこそ最も適当な方法で、注意点に気を配りつつ取り掛からなくてはならないのです。

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