バーコード(1次元コード、JANコード)というものの仕様上、バーコードリーダーは、バーコードをスキャンして13桁の数字を読み取ることしかできません。しかし、そこで読み取った数字を外部データベースと突き合わせることで、驚くほど独自性の高いサービスを実現しているアプリというのが世の中にはあります。本稿では、その中でも選りすぐりの4件をご紹介します。
「価格.com」といえば、1997年から運営されている最安価格検索サービスの超・老舗。当時は創業者の方が秋葉原に日参し、各店舗の価格情報を足で稼いでいたのだとか。もちろん当時はスマートフォンもアプリもありませんから、PCブラウザ向けのサイトでした。
時は経って現在、「価格.com」は対応プラットフォームを増やし、PCサイトだけでなくスマートフォンアプリも提供しています。
それに伴って、カメラでのJANコード読み取りによる商品検索にも対応。カメラの権限を許可して、JANコードの前にかざすとすぐに検索結果が表示されます。値下がりが起きた時にスマートフォンへの通知が来るよう設定できるのも嬉しいところです。
「価格.com」といえば黒物家電(パソコン、カメラ、ゲームなど)というイメージを持っている方も少なくないかもしれませんが、今や、白物家電(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)もさることながら、コンタクトレンズ・プラモデル・炭酸飲料といった生活用品や、引っ越し・オンライン英会話・宿泊施設などの各種サービスの価格比較までできる総合サービスになっています。
さらに価格比較だけでなく、「新製品ニュース」「価格.comマガジン」といった読みものコンテンツも充実。実用だけでなく読んで楽しむこともできる「価格.com」、必携アプリではないでしょうか。
「アイコニット」は弊社製バーコードリーダーアプリです。本コラムでも何度か「QRコードリーダー」としてご紹介していますが、実はQRコードだけではなくJANコードにも対応しており、商品バーコード検索に使えます。
※QR、JANの他に、EAN-128、NW-7、CODE39、GS1データバー限定型、データマトリックス、ITFコードなど多くのコードにも対応しています。
「アイコニット」は各1次元コードごとにカスタムされた読取結果画面が表示されます。例えば、EAN-128コードは公共料金の請求書などに印刷されているので、支払金額と支払期限が自動で表示され、その期限に合わせたリマインダーをアプリ内で設定できるようになっています。
同様に、JANコードを読み取ると、口コミ投稿サイトへ移動するボタンが表示されます。この口コミサイトが「Mono Talk」(ものトーク)というもので、弊社・メディアシークが運営する口コミサイトです。「アイコニット」の読取結果画面からは他のショッピングサイト(Amazon.co.jp、楽天市場など)へも移動できるのですが、「Mono Talk」へは特にワンタッチで行けるのが特徴です。
「Mono Talk」は「アイコニット」アプリ内の機能ではなく、独立したサイトなので、必ずしも「アイコニット」がなくても、「Mono Talk」サイトだけで新着口コミなどを読むことが可能です。バーコードリーダーアプリと口コミサイトが別個でありながら密接に連携している、というのが特色といえるでしょう。
「コレカブ」は2022年秋にローンチしたばかりの新サービスなので、ご存知ない方も多いのでは。正確には「Myセブン銀行」アプリの中の一機能です。
「コレカブ」の大変ユニークな特徴は、身のまわりの商品のバーコードを読み取ると、その商品の関連株を表示してくれること。アプリ上で証券口座を開設していれば、ワンタップで株式を購入できるのです。例えば、ティッシュのバーコードを読み取ると、コレカブで株を購入できる製紙メーカー企業が表示されます。発見した銘柄は、アプリ内の「銘柄図鑑」にコレクションすることができます。「株のコレクション」で「コレカブ」、なのですね。
何故こうしたユニークな機能が開発されたかというと、投資のハードルを下げるために、「ゲーミフィケーション」という概念を導入したのだそうです。「ゲーミフィケーション」は2010年代前半に最初に注目された言葉で、意味は『<楽しんでいるだけで知らず知らずのうちにゲームルールを理解できてしまう>という、ゲームならではの洗練されたユーザ体験設計をゲーム以外にも取り入れよう』というもの。何かと難しいと思われがちな株式投資・積立投資ですが、まずは「銘柄図鑑」のコレクションを増やしてみるといったゲーム的感覚で気軽にふれてもらおうとしている、ということなんです。
現在は約200銘柄の日本株、約100銘柄の米国株、そしてETF 5銘柄を、1株数百円単位から購入できます。その中から、2023年秋に発表されたバーコード検索ランキングをご紹介して本項を締めくくりましょう。
1位:ザ コカ・コーラ カンパニー(銘柄コード:KO)
2位:サントリー食品インターナショナル(銘柄コード:2587)
3位:アサヒビール(銘柄コード:2502)
4位:キリンホールディングス(銘柄コード:2503)
5位:日清食品(銘柄コード:2897)
6位:花王(銘柄コード:4452)
7位:カルビー(銘柄コード:2229)
「Payke」(ペイク)は「外国人向けお買い物サポートアプリ」を謳うアプリです。具体的な使い方は
1 訪日外国人が日本のお店で商品をPaykeでバーコードスキャン
2 Paykeアプリ上でその商品の商品情報が7言語(日本語・繁体字・簡体字・英語・韓国語・タイ語・ベトナム語)に翻訳されて表示
3 日本語が読めない訪日外国人も商品情報が分かるので安心して購入できる
というものです。
ここでポイントになるのは、読み取る対象であるJANコードはこれまでと変わりないという点です。インバウンド対応・多言語対応するために商品パッケージをデザインし直す必要はありません。
事前準備として、商品情報の翻訳原稿の用意、および管理画面からの翻訳原稿入稿は必要になるのですが、株式会社Paykeが提携している翻訳会社の利用による人力翻訳や、機械翻訳も可能だそうです。また入稿も、株式会社Paykeによる登録代行サービスがあります。
翻訳表示するためには「Payke」アプリで読み取らないといけないわけですが、アプリの累計ユーザは台湾を中心に実に400万人に上り、142に及ぶ国や地域で利用されています。これは、商品登録点数40万以上・加盟企業数1200社以上という大ボリュームを背景に、
自分の母国語で日本の商品の情報を知るならPayke(訪日外国人) → そんなにPaykeを利用する外国人ユーザが多いなら、我が社も自社商品の多言語情報をPaykeに登録しよう(メーカー) → たくさんの多言語商品情報が登録されているから、だからやっぱり日本の商品の情報を知るならPayke(訪日外国人) → …
といった良スパイラルが回っている―――といえるのではないでしょうか。
※本コラムに掲載した商品名、サービス名、会社名またはロゴマークは、各社の商標、登録商標もしくは商号です。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
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