バーコードコラム

静的(MPM)・動的(CPM)のQRコードとは

2024.03.13

QRコード決済のやり方、「CPM」と「MPM」

『QRコード決済のやり方』と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

「PayPay」や「楽天Pay」? いえいえ、それは『QRコード決済を行う上で利用しているQRコード決済サービスのブランド名』です。

『クレジットカード引き落とし』または『事前チャージ』? いいえ、それは『QRコード決済で購入した物品 / サービスの代金支払方法』です。

『QRコード決済のやり方』とは、『誰が、どのQRコードを読み取って決済するか』のことです。

この『誰が、どのQRコードを読み取って決済するか』は、二種類しかありません。
・店側が、客が提示したQRコードを読み取って決済
・客側が、店が提示したQRコードを読み取って決済

前者を「CPM」、後者を「MPM」といいます。それぞれ、「Consumer-Presented Mode」「Merchant-Presented Mode」の略です。

 

「CPM」「MPM」を日本語でいうと

「CPM」の日本語訳 … 利用者提示型
「MPM」の日本語訳 … 店舗提示型

日本語訳なので日本人には分かりやすい……かと思いきや、漢字が連続するので字面がちょっと堅苦しいですね。

また同義語もあるので、「顧客提示型」「消費者提示型」、「加盟店提示型」「店頭提示型」「マーチャント提示型」「ショップ提示型」など言い換えパターンが複数あって、少々混乱しやすいです。

まれに
CPM … ユーザ提示型
MPM … ユーザ読み取り型
という和訳もあります。主語が逆転しない(主語は「ユーザ」固定)ので、こう表現してくれたほうが直感的に分かりやすい、という人もいるかもしれませんね。

 

「CPM」「MPM」の別名

「CPM」「MPM」にはそれぞれ、「ストアスキャン」「ユーザスキャン」という別名があります。「CPM」「MPM」の主語は<QRコードを提示する側>ですが、「ストアスキャン」「ユーザスキャン」においては主語は<QRコードを読み取る側>となり、ちょうど逆の関係となります。

「MPM」はさらに細分化できる――「静的MPM」と「動的MPM」

「静的MPM」とは、店舗が予めQRコードを印刷して貼り出しておくことで、それを客が読み取って遷移した先で決済する、というものです。

これに対して「動的MPM」は、QRコードを専用端末やタブレット上に表示して、それを客が読み取る、というものです。

一回印刷してしまえばQRコードが不変の「静的―」と、その都度QRコードが生成される「動的―」とがある、ということです。

「静的MPM」「動的MPM」「CPM」それぞれのメリット・デメリット

<静的MPM」のメリット・デメリット>

[メリット]
・QRコードを印刷して、店内に貼っておけばQRコード決済対応を始められる。あとは客が私物のスマートフォンでQRコードを読み取ってくれる。初期コストが低い。
[デメリット]
・店内に掲出したQRコードの紙が差し替えられて不正利用されてしまうリスクがある(「ステッカー詐欺」)。

<動的MPM」のメリット・デメリット>

[メリット]
・一定時間でQRコードが動的に生成し直されるので、セキュリティ安心度が高い。
[デメリット]
・会計金額を客が手入力して、店員がそれを目視確認するため、誤入力が発生してしまったり、レジが混雑したりする可能性がある
(QRコードに金額情報が含められている場合は、読み取ると金額が自動入力される)。

<「CPM」のメリット・デメリット >

[メリット]
・店員にスマートフォン画面を差し出して、QRコードを読み取ってもらうだけでいいので、客からするとスピーディ。
[デメリット]
・客が提示したQRコードを読み取るための端末が必要なため、導入コストがかかる。

 

見逃せないデメリット――店のレジ周りが狭くなるストレス

 

朝日新聞メディア事業本部が運営する金融メディア「START!」の記事「Cashless Insight #5 キャッシュレス導入が進まない理由は手数料にあらず」では、キャッシュレス業務のストレスTop5として、「決済が完了するスピードが現金より遅い」という調査結果が1位だったことが紹介されていました。

 

( START! > Cashless Insight #5 キャッシュレス導入が進まない理由は手数料にあらず

 

記事中では、トップ5の2~4位に挙がっていた種々のストレスがあわさって、トータルで「現金より遅い」という回答につながっているのではないか、と分析されています。1位の結果だけを見て、現金よりキャッシュレスのほうが遅いなんてそんなはずはない、と断じてしまっては見落とすものがある、ということですね。

 

その2~4位のうちの4位に、「端末が増えてレジ周りが狭くなった」というものがあります。

 

これだけを見ると、QRコード読み取り端末を必要とする「CPM」はレジ周りが狭くなって店員のストレスにつながってしまうのか? ウチのお店には導入しないほうがいいのか? と思ってしまう人もいるかもしれません。

 

しかし、個々のお店にはそれぞれの状況と事情があるはず。レジ周りに十分なスペースがあるならそこまで心配する必要もないかもしれません。レジに店員が常駐している店舗なら、仮にお客さんがレジ周りを散らかしても対応可能なはずです。

 

こういった各店の個別状況やお客さんニーズを十分に勘案した上で、QRコード決済(「静的MPM」「動的MPM」「CPM」)採用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

※本コラムに掲載した商品名、サービス名、会社名またはロゴマークは、各社の商標、登録商標もしくは商号です。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

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