バーコードコラム

バーコードの種類・はたらき

2022.05.30

あなたは「バーコード」と聞いてどんな画が頭に浮かびますか? 白黒? ふむふむ。横長? はいはい。厚い縦線と細い縦線? そうですね。…えっ、すだれ頭?!

すだれ頭はさておき、バーコードとはそもそもいったい何で、何ができるのか。そしてどんな種類があるのか、について以下で概説していきます。

 

バーコード = 1次元コード

まず、「バーコード」と聞いて多くの人が頭に思い浮かべるであろう画を以下に複数挙げます。あなたが想像していたものとだいたい同じですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

上に挙げた画像は多少のデザインの差こそあれ、どれも「白黒」「横長」「厚い縦線と細い縦線」といった特徴を備えていますね。これが一般に「バーコード」(barcode)と呼ばれるものです。「バー」で構成されている「コード」だから「バーコード」、なわけです。

 

「バーコード」は「1次元コード」とも呼ばれます。さてここでクイズ。3次元 = タテ方向・ヨコ方向・奥行き方向、2次元 = タテ方向とヨコ方向。ここまでは解りますね。では1次元とは何でしょうか?

 

答は、<一方向しか存在しない>という次元です。直線だけが1本だけ存在していて、その直線上だけを移動できる世界、をイメージしていただけるといいかもしれません。ちょっと抽象的すぎるかもしれませんが、上掲した「バーコード」、すなわち「1次元コード」は、まさに一方向だけに情報を記録している<コード>なのです。

 

しかしあなたは今こう思っているかもしれません。ちょっと待てよ、「1次元」は直線だけが1本だけ存在しているっていうけど、「1次元コード」はまず、ヨコ方向に伸びている。そして、タテ方向にも一定の長さがある。ということは、タテ方向×ヨコ方向だ。てことはこれは「2次元」なんじゃないの? と。

 

ここが「バーコード」=「1次元コード」だと納得するのに少々つまずきがちなところなのですが、1次元コードはあくまでヨコ方向のみに情報を記録しています。では何故タテ方向にもある程度の長さがあるのかというと、それなりのタテ長がないと、実際のバーコード読み取り機で読み取ることができないからなのです。

※一部例外あり。

 

よく考えればそうですよね、理論上は一方向のみに伸びている直線上に情報を記録しているのである! といわれても、じゃあ仮に、タテ方向に数ナノメートルしかないような極細直線上に実際に情報を記録したとして、それを読み取れる民生機ってどこにあるんですか? という話になってしまいます(それに、たとえ数ナノメートルだったとしても、タテ長がある時点でそれは2次元です)。

 

ちなみに、私達の日常生活でよく見かける「QRコード」は「バーコード」とは呼びません。「バー」状でないからです。「2次元バーコード」と誤って呼ばれることもありますが、「2次元コード」と呼ぶことをお勧めします。

 

バーコードを読み取ったら何が表れる?

バーコードを読み取るためには、「バーコードスキャナ」「バーコードリーダー」と呼ばれる機械が必要です。バーコード自体が主に業務用で使われるものですので、バーコードスキャナも近所の家電店では売っていないかもしれません。業務用機器の販売店に相談するのがいいでしょう。

 

しかし、かつては専用のハードウェアが必要だったバーコードスキャンも、今やスマートフォンアプリ一つあれば無料で行える時代になっています。業務用途で、カスタマイズもいろいろしたい、というようなことでない限り、スマートフォンアプリでも十分すぎるほど高機能です。さらにiPhone / AndroidともにOS標準でバーコードスキャン機能が組み込まれています(※Androidは機種が限られる場合があります)ので、まず使ってみるには十分でしょう。

 

■弊社が開発しているバーコードリーダーアプリ

https://www.iconit.jp/

 

さて、バーコードを読み取ったらバーコードスキャナ / バーコードリーダーはどうなるのでしょうか?

 

結論からいうと、<バーコードに記録されている情報が表示される>です。表示されるだけで、それ以外のことは起きません。これがバーコード“スキャナ” / “リーダー”のある意味のゆえんで、読み取った情報を用いてさらなる情報を引き出す、などが可能なバーコードリーダーアプリもありますが、それはそのバーコードリーダーアプリの設計者がアプリをそのように作っているからそう動くのです。

 

例えば弊社が開発しているバーコードリーダーアプリ「アイコニット」は、読み取ったバーコードが「JANコード」という種類のコードであった場合は、口コミサイトへのリンクをつけ、ワンタップでその口コミサイトのレビュー投稿画面に飛ぶことができます。「JANコード」というのは日本で使われている商品流通用のバーコードなのですが、商品流通用のバーコードはその商品の口コミレビューがすぐ投稿できるようになっていたほうがきっと便利だろう、と考えた結果そうなっているのです。それが証拠に、同じ「アイコニット」でも「NW-7」という別種のバーコードを読み取った場合は口コミサイトへのリンクは表示されません(「NW-7」は宅配便の配送伝票などに使われるバーコード)。

 

バーコードに記録されている情報はごくごくシンプルで、数字(0~9)を基本として、バーコードの種類によっては半角記号やアルファベットなどを記録できるものもあります。

 

それだけ!? と思われたかもしれませんが、そうなんです、これだけなんです。例えば、お店で購入した商品にバーコードが貼られていたとして、そのバーコードに記録されているのは数字などの(それ単体では)無意味な羅列です。それをバーコードリーダーで読み取ったら、読み取った先で商品情報データベースとの照合が行われ、そこで初めて、商品名 = 〇〇、メーカー = △△…といった情報が判明するわけです。店舗の在庫データベースと照合すれば、価格 = ◇◇、現在の店頭在庫 = □□…なども判ります。こうして種々のデータベースと照合しなければ、文字どおり無意味な、数字やアルファベットや記号などの羅列コードでしかない、というわけなのです。

 

こうみると、バーコードの作りは実はシンプル、ということが想像つきますし、また、めちゃくちゃ横長なバーコードというのをあまり見かけないのは何故か? ということも分かる気がしてきますよね。

 

それでは最後に、代表的なバーコードの名称と主用途をご紹介しましょう。

 

JANコード

 

「ジャンコード」と読みます。一般的な生活用品のほぼすべてにマーキングされています。日本で最も馴染みのある1次元コードといえるでしょう。

 

CODE39

 

「コードサンキュウ」と読みます。ファクトリーオートメーション分野などで使われます。

 

 

CODE128

 

「コードイチニッパ」と読みます。ASCII文字セット128キャラクターをすべてコード化できるためこの名がついています。公共料金収納・医療材料管理・電子部品管理などの分野で使われます。

 

 

NW-7

 

「エヌダブリュセブン」と読みます。宅配便の配送伝票、血液管理などに使われます。

 

 

ITF

 

「アイティーエフ」と読みます。物流分野で使用され、主に段ボールに印刷されています。

 

次節では各バーコードについて詳説していきます。

 

※本コラムに掲載した商品名、サービス名、会社名またはロゴマークは、各社の商標、登録商標もしくは商号です。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

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