真贋判定と書くと難しい言葉に思われますが、平たく言えば「本物か偽物かを見分ける」こと。高級ブランド品や高級中古品、骨董品やトレカ、キャラクターグッズ、食品や健康食品、医薬品など多くの分野で偽物対策の必要性が出ていますが、近年ではIT技術を使った真贋判定サービスも数多く出ています。
真贋判定は大きく分けて2つの方法があります。1つは製品を鑑定士など専門家が確認して真贋を判定するケース。専門家による判断となるとどうしても時間や場所、コスト面で制約が出てしまいますが、その点ではITを使った真贋判断は、製品に認証情報を付与してそれをスマホなどで確認するので、専門家でなくても判断できるというメリットがあります。IT技術を使った真贋判定にもQRコード活用のもの、NFC(近距離無線通信)タグ活用のもの、スマホで撮影した画像をAIで解析するものなどいろんな技術が出ていますが、本稿ではQRコードを活用した真贋判定について解説していきます。
QRコードを使った真贋判定の仕組みはシンプルです。
1)製品のシリアルナンバー、製造日、ランダムに発行された認証コードなどの情報を入れたユニークなQRコードを作成。
2)そのQRコードを製品やパッケージに印刷したり、ラベルで貼り付ける。
3)真贋判定をする人がスマホのカメラアプリや専用アプリを使って、そのQRコードを読む。
4)専用サイトに接続されて、シリアルナンバーや認証コードなどがデータベースに登録されたものかどうか、既に読み取られたものかどうかなどを照合し、それを判定結果として表示する。
このシステムの大きな特徴は、誰でもが持っているスマホを使って、その場で手軽に真贋判定が出来ること。真贋判定のために特別な機器を必要としないので、特に一般消費者向けの商品とは相性がいいと言えます。しかも、真贋判定だけでなく詳しい商品情報やサポート情報の提供やユーザー登録といったこともその流れで行うことも可能です。NFC(近距離無線通信)タグとNFC対応スマホを使った真贋判定システムも、仕組みとしては同様な仕組みで成り立っていますが、コスト的にはQRコードを使った方法の方が安価な場合が多いようです。
QRコードを利用するとなると「そのQRがコピーされたらどうなるのか」「真贋判定サイトそのものが偽造されたらどうなるのか」などの懸念が出てきますが、それらについての対応方法も様々なものが開発されています。
QRに入れるシリアルナンバーを暗号化することで、データベースを参照する際に番号の解読・復元処理をした上で参照をして有効かどうかを判定するのでセキュリティ性が大幅に高まる。
1度しか読めないようにしたり、読取り回数に制限をかけたり、「同じコードが複数回読み取られています。サポートセンターにご連絡ください」といったメッセージやアラートを出したりする。
a)専用アプリを作って、そのアプリ経由でしか真贋判定できないようにする。
b)空メール送信を挟んで正しい真贋判定サイトのURLを通知する。
それ以外にも、会員組織を有している商品であれば最初に会員判定をした上で、会員にのみ真贋判定を実施させるといった方法もあります。
さらにセキュリティ性を高めるために、特殊なインクを使ってQRコードを印刷したり、ホログラムシールを貼り付けるなどの方法もあるようです。また、QRコードに紐付けられた情報をブロックチェーンに記録することで、データの改ざんを困難にするサービスも出現してきています。もちろんそうしたセキュリティ性を高めれば同時にコストも高まるだけでなく、消費者などそれを使う人の手間も増えてしまう可能性もありますので、そのあたりは対象となる商品の性質や利用者層などのことも考慮して検討をしていくべきですね。
かなり前のこととなりますが、携帯電話各社の「ガラケー」にいち早くQRコード読取りアプリをプリインしていた当社では、それに加えてユニークIDとQRコードを活用した偽造防止サービスやその機能を活用した消費者向けキャンペーンシステム(飲料品などのマストバイキャンペーン)などのシステムも展開していました。
(※現在はこうしたガラケーの機能を活用したサービスは終了しています。)
最近ではペーパーレスチケットとしてイベントなどで使われることが多くなったQRチケットですが、当社では早くからQRコード真贋判定システムの要素を導入した「チケット偽造防止機能」を導入して、東京ビッグサイトや幕張メッセなど大型イベント会場で開催されるイベントのお手伝いをしてきました。また、現在も某大手企業様のご依頼で、QRコードを活用した大規模な真贋判定サービスを設計中です。
超速、正確なQR/バーコードリーダーライブラリ「CamReader」
※本コラムに掲載した商品名、サービス名、会社名またはロゴマークは、各社の商標、登録商標もしくは商号です。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
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