「データマトリックスとは」では主にデータマトリックスの仕様について解説していますが、本稿ではその用途や特徴、最近の動向について解説していきます。
データマトリックスはQRコードと同じく二次元コードの1つですが、QRコードが比較的消費者寄りの用途に使われているのに比べて、データマトリックスは産業用(製造業など)に使われる傾向が多いようです。それはデータマトリックスが以下のような特性を持っていることに起因しています。
高い密度で情報を格納することができるデータマトリックスですが、その最小サイズも10×10セル(QRコードの最小サイズは21×21セル)。シンボルのサイズが大きい場合はQRコードの方が多くの情報を格納できますが、精密機械部品や医療機器など小さなスペースでの表示にはデータマトリックスが向いています。また長方形タイプもあるため形状が長いチューブ型の医療機器などにも表示が可能です。
セルを四角ではなく丸で表現することもできることから、シンボルを印刷して貼るのではなくダイレクトパーツマーキングという手法でレーザーなどで直接印字することも可能になっています。
データマトリックスの中でもGS1(流通コードの管理及び流通標準に関する国際機関)が規定したルールに基づくデータ構造を持ったものをGS1データマトリックスと言います。これによって製品コード(GTIN)、製造年月日、有効期限、ロット番号、シリアル番号などの情報を格納することができるようになります。
同じくGS1ルールに基づいたバーコードであるGS1データバーやGS1-128でもそうした情報の格納が可能ですが、GS1データマトリックスには
・印字スペースを小さくすることが可能
・大量のデータを入れることが可能
という利点があります。
このように大量の情報を省スペースで表現できるデータマトリックスは、製造業での部品管理、医療用医薬品や医療機器の管理、物流や航空業界など、幅広い産業分野で採用が進んでおり、物品管理だけでなくサプライチェーンでの情報共有やトレーサビリティ向上にも役立っていますが、今後もさらに多様な分野で活用されていくと思われます。
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